今回は、中国共産党(中共)と言いよりも中国人民についてのお話しをしたいと思っております

2023年10月に公表された「2023年度、中国精神・心理健康」青書によれば、生活と仕事のリズムが加速し社会競争が急速に激化している中で、中国人の心理的ストレスは大幅に増加しており、自己の心理健康状態が良好であると考えている中国人は、36%に留まっている

特に学生層は、学業や就職などの課題に直面し、心理健康問題が顕著で若年化の傾向が見られる

40%の青少年が孤独を感じており、高校生の鬱病発見率は40%、中学生は50%に達する

現在、中国の鬱病患者数は9500人を超え、平均して4人に1人が鬱病を抱えている

多くの中国人は、幼い頃から様々な圧力に直面しており、これらの圧力が引き起こす不安や心理的問題が、生涯に渡り彼らに伴う

ネット上で、ある名演奏家が中国系の女児にバイオリンの演奏を指導する動画が広く注目されている

動画には、3人の主要人物が登場し、先ずは指導者で彼はボストン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者であるベンジャミン・ザンダーである

次にバイオリンを学ぶ中国系の小さな女の子で、年齢は約6〜7歳である

第三の人物は女の子の母親で、彼女はずっとそばで傍観している

動画では、ザンダー氏が女の子にバイオリンの練習曲を指導している
曲は美しく、女の子も上手に演奏しているが、曲の「魂」が十分に表現されていないようである

ザンダー氏は、何度も女の子の才能と表現力を称賛し、曲の「魂」をもっと深く理解することの重要性を説いている

そして、ザンダー氏は女の子に「これは行進曲ではなく温かさ、愛、友情を歌う曲なので、演奏する際は喜びで心を満たすべきです」と指導している

言葉だけでは、不十分なためザンダー氏は女の子を連れて歩きながら演奏させ、曲の感情を実感させようと試みた

しかし、女の子は終始笑わず、常に緊張した表情をしていた

このことから、女の子が練習中に心から笑うことが出来ないことが、根本的な問題であるとザンダー氏は気づいた

するとザンダー氏は、傍でずっと傍観していた女の子の母親に「お子さんは美しいと思いますか？」と尋ねた
母親は、苦笑いしながら「あまり美しくないと思います」と答えた

更に「彼女の演奏は、上手だと思いますか？」と尋ねると、母親は子供を見て首を振った

この一連の出来事は、多くの中国家庭の縮図と言える

子供が十分に努力しなければ、将来いい学校に行けない、いい仕事に就けないのではないかと、心配する親は少ないない

そのため、幼稚園の頃から「競争は既に始まっている」との考え方を子供達に植え付けている

このような教育は、多くの子供達に幼い頃から不安を抱かせている

しかし、これらの子供達が成人して社会に出ても状況は改善されず、むしろ悪化している

特に現在の中国では、失業率が急上昇し多くの企業が倒産し、社会経済の発展が滞っている

幼い頃から一生懸命、勉強した多くの子供達は、その努力が期待通りの結果をもたらさなかった事に直面している

卒業しても、就職が出来ない状況が続く
仮に仕事を見つけたとしても、いつでも解雇される可能かある

中年層の状況も楽観的ではなく、彼らは失業の脅威に直面するだけでなく、子供の養育や親の世話をしながら、住宅ローンや自動車ローンを抱えている

高齢者の状況は、特に困難であり農村部の高齢者は、社会福祉制度が不十分であるため、彼らの月々の生活補助は僅かで、基本的な生活を維持することも困難である

更に多くの独居老人は、孤独で頼りのいない老後を送っている

ある映像では、子供が「僕は、まだ小学2年だよ、中学や高校、大学の事なんて理解出来ないよ、人生の事も分からないよ、でもあなた(親に対し)は、ずっと中学や大学の話をしている、僕は小学2年の算数や国語、英語しか分からないよ、あなた(親に対し)が言うこと全然理解出来ないよ！と泣きじゃくりながら親に訴えると、親は「じゃあ私が言った損切りってわかる？」と言うと、子供は「分からないよ、それは食べる物か？」と答えた

中国では、損の発音と筍の発音が同じである

また、別の映像では高校生の男子が「勉強はそんなに大事なのか？どうして文句を言わないでイライラしないでいられるの？思い出して見てよ、あなた(親に対し)が高校生の時、1週間に体育の授業が1回あったでしょう？僕は2、3日に1回の体育の授業があることを望んでいない、1週間に1回だけでも、それってひどいことなの？7日間、毎日教室にいて誰が耐えられるの？夜はたったの10分、洗面する時間が10分だけだ！時間を超えたら学校中に通報されて叱られるんだよ！(中国では高校、大学など寮生活が多い)」と訴えた

20代の若者は夏に「まさか私は20代になってもまだ、家で両親のオカネを使っています。2023年卒業の方にお聞きしたいのですが、就職先は見つかりましたか？先ず、私の状況を説明しますね。足を怪我したので、実家で安静にしてます。母も怪我が完全に治るまで、家で安静にしていなさいと言いました。うちの町は本当に時代遅れで、とても小さな町です。取り敢えず、何か仕事を見つけてオカネを稼ごうと思っていました。本当にどんな仕事でもいいのですが、結局、町でチラシ配りの仕事すら無いです。今、私は家で扇風機を使う勇気も無くて電気を使うと、すごい罪悪感があります。ましてやエアコンなんて。この前父は『そんなに長い間、学校に行ったのに、これからどこで働くつもり？月にどれくらい稼げるの？』と聞きましま。今、家ですごいプレッシャーを感じてます。うちの家庭状況も良くなくて、親に頼ることは出来ません。今、家にいる毎日が、いつ崩れても、おかしくない精神状態になっています。」

別の一般家庭(夫婦と子供3人家族)では「夫が失業してしまい、私達家族は経済的な支えを失ってしまいました。これまで、ずっと広州で頑張って来たのに最終的にはリストラされる運命からは、逃れられませんでした。今回のリストラは、家族にとって大打撃です。この数年間、社会全体の環境が良く無く、多くの会社がリストラを始めています。広州だけでも、半年間に数十の会社が倒産したそうです。私の友人が経営しているチェーン店も従業員の半数を解雇し経営規模を縮小しました。リストラされなかった人達も給料が下り、長く待ち望んでいた年末ボーナスも無くなりました。会社に残ることは、本当に難しいです。夫は失業してから、履歴書を送って仕事を探していますが、全て失敗に終わりました。今、希望が見えず、このままでは、どれほど持ち堪えられるか分かりません。家賃、子供の学費、日常の出費で毎月、最低でも*元(約20万エン)は必要です。他の収入源も無く、中年での失業は本当に不安です。特に子供や老人の世話も必要です。今の就職市場は若年層を好む傾向に有り、殆どの職は35歳以下を求めています。来年の失業率は更に上がるかも知れません。本当は、次男が幼稚園に入ったら仕事を探すつもりでした。今は、仕方無くアルバイトをしながら子育てするしかありません。」


田舎は本当に老後に適した場所なのか？

私は、田舎の実家でこの動画をリアルに記録しました。あなたが60代とすると、朝6時に急いで仕事に向かわなければなりません。鍬やシャベルで土を掘り返し苗を植えます。同じ作業を何千回も繰り返し、空に広がる美しい朝焼けを見る余裕もありません。他の人より遅いことは、管理者に淘汰されることを意味します。1杯の水と2個の卵が今日の昼食です。疲れたら、寝転べる場所を見つければ、直ぐに眠りにつきます。春に農業をして、パートで稼いだオカネを合わせれば、1年の収入は数万元に達せるかも知れません。この数万元には、子供の住宅ローンの返済、孫への文房具、生活費、もちろん自分の医療費も含まれています。運が悪ければ、年収は数千元しか無く、食べること以外は一文も使う事が出来ません。彼らが60歳や70歳にもかかわらずです。彼らに疲れていませんか？と聞くと「今日はとても嬉しい、少なくとも仕事は有るし、耕す畑もある。土も前の日より柔らかい。」と答えるでしょう

だからと言って田舎は、本当に老後に適した場所なのでしょうか？