長い間、中国共産党の上層部が努力して来た事は、紅い政権を紅い家族の手に確実に握らせることだった。それは、まるで清朝の皇帝のようである。

当時の清朝には、皇族の系統を表すために異なる色を使用した「八旗(はっき)」があり、中国共産党の紅い家族の子孫は、この八旗の「正紅旗」に喩えられた。

習近平を支持する一番大きな勢力は、紅二代である。当時、北京の紅二代が四〜五百人集まり、習近平を支持する声明を起草した。その中には、劉亚洲、劉源、�ｹ朴方、陳元などが含まれていて、彼らが習近平を支持する理由は勿論有る。

それは習近平が、中国共産党の紅色家族を代表しているからであり「正紅旗」を象徴しているからだ。�ｹ小平の改革後、中共は表向きは、集団指導機構を形成したように見えるが、実際には数百の中共豪族が、中国全土で采配を振るっており、これはまるで各地に皇帝がいるような状況であった。

そのため、習近平は党則と憲法を改正して個人の権威、つまり君主的統治を求めたのである。しかし、これは実質的にこれら「正紅旗」を格下げすることに等しく紅二代は、反発するだろう。

最近、中国の退役将校である劉亞洲(リュウアシュウ)氏にについて終身刑が言い渡されたと言う報道があり、これについて中国の政界に詳しい人々は驚愕している。

何故、この退役将校の有罪判決が各界で、大きな関心を呼んでいるのだろうか？

それは、中国共産党の党首、習近平が中国の他の紅い家族と決裂すると言う明確なシグナルを出していることを意味するからだ。

劉亞洲(リュウアシュウ)氏は、中国共産党の「紅い第二世代(紅二代)」「軍幹部の第二世代(軍二代)」であり、李先念(リセンネン)元国家主席の義理の息子でもある。

2012年7月、劉亞洲(リュウアシュウ)氏は空軍上将に昇進、2017年初めに劉亞洲(リュウアシュウ)氏は、名誉職を与えられることも無く軍将校の退役年齢65歳を目前にして早期引退した。

劉亞洲(リュウアシュウ)氏は、2021年に突然行方不明になったと言う噂が流れ、最近複数の情報筋が、劉亞洲(リュウアシュウ)氏に終身刑が言い渡されたと主張していた。

しかし、劉亞洲(リュウアシュウ)氏の事件と判決に関する具体的な情報は全く無い


紅二代とは？
中国で高級幹部子弟を意味する「太子党」のうち、特に共産党革命に参加した経験がある高級幹部の子弟を指す。劉少奇元国家主席の息子である中国軍の劉源上将や、故李先念元国家主席の娘で中国人民対外友好協会の李小林会長らは習近平国家主席に近いとされる。失脚した薄熙来元重慶市党委員会書記(収賄罪などで無期懲役確定)も紅二代。また紅二代でない高級幹部の子弟を「官二代」、富豪の子弟を「富二代」などとする呼び方もある。