ライブハウス
茶色のシルクのブラウスを着て
彼の出るライブハウスに
向かった。
ボトムスは
ジーンズだ。
若い頃の私は
いつも ジーンズスタイルだった。
特別、
ジーンズが似合う訳じゃなく、
ただ 特に 意味はない。
意味はないが、
なぜかジーンズを履くと
戦闘スタイルになるのが
なんとなく好きだった。
シャイな彼なのに
職業は barの店長だ![](https://mintj.com/emoji/ios/COCKTAIL GLASS.png)
私が働いていた店に
店で使う 食器を買いに来たのが
出逢いの始まりだった。
あのー…
すみません!
また 来まっす!!
真っ赤な顔をして
深々と帽子を被りながら
消えて行った後ろ姿を覚えている
そんな彼と私が
なぜ 結び付く形となったのか、、
それは…
彼が 変わっていたからだ。
面白かった。
当時の私に
その
strange
は不可欠だった。
ライオン丸のような
爆発した頭に
筋肉隆々の脚
脇役のギターの彼は
ボーカルよりも 目立つビジュアルだった。
彼のくれた
デモテープを
私は
新しい恋をした日に
捨てた。
正式に言えば…
寮を出る時に
ゴミ箱に 記していた一冊の日記と共に
捨てた。