消えない蛍
1章冬の蛍
2017年1月真冬の朝
「あー寒っ」
この一言の後に
ベッドから起き上がる
まで10分
毛布にしっかり
うずくまって10分
温まって
起き上がる
「あー寒っー
あー大学行きたくなー」
俺は大学2生で
名前は慎吾
趣味は無し
唯一の座右の銘は
のんびり楽に
タバコに火付けて
毎朝言う「寒い」
パジャマの上に
ダウンジャケットを着て
毎朝の日課
すぐ目の前の自販機で
コーンスープを*
また一服
部屋でしっかり温まって
外に出る
「あー大学
だりぃー」いつも
通る長くて緩い
坂道
またタバコに火をつけ
いつものように歩く
いつも通り
ボーっとタバコを
吸いながら歩いて
いると
ふらふら目の前を
歩いてる女の子が
いた
足元がふらついていて
ゆっくり歩いている
俺はその女の子の
横を普通に歩いて
抜き去る
抜き去った後に
女の子を不意に
見たら
杖を持っていて
恐らく
目が悪い、
目が不自由な女の子
なんだなっと思い
そのまま気にする事
なく大学までの道を
歩いて行く
この何も気になかった
女の子との出会いが
俺と蛍との出会いに
なる事が今考えたら
嬉しい…
けど涙が
止まらなくなる