【中国人民解放軍 VS 中国黒社会ヤクザ】

今回は、黒社会ヤクザに喧嘩を売られた、中国人民解放軍の戦争についてのお話しです

中華圏、最大の犯罪組織である三合会(三合會＝さんごうかい)とは、香港を拠点とする幾数かの犯罪組織を総称する呼名である。
地下社会や裏社会などという抽象的な意味の言葉ではなく(これらを表す現地の言葉としては黒社会が適当である)、実体をもつ犯罪組織のネットワークを指していう、結社という意味を表すものと解釈できる。
秘密結社的な性格を強く帯びるという特色もあってか、その実態については断片的にしか知られておらず、全体像はほとんど明らかでない。諸流派としてこれを構成する組織のうち、香港で活動するものは、現在57程が存在すると目され、それらの組織は成員を50人程度とするものもあれば、3マン人以上の成員を数えるものも存在するとされている。そのうちの有名なものとしては 14K、潮幇(新義安の上部組織)、和字頭(和勝和の上部組織)などが挙げられる。
その影響力は香港をはじめとして、マカオ、台湾、中国大陸といったアジア圏に加え、欧州、北米、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの華人社会にまで至る、世界的規模の広域に及ぶものであるとされている。
その起源は、その発生は清の時代、清朝による支配に抵抗すべく結成された反体制的結社を源流とするといわれている。類似するものとして天地会(洪門)などが存在した。その目的は、漢民族の復権、すなわち清朝の打倒、支配層としての満州族の排斥、『漢民族による中国大陸』の奪還（反清復明）であった。
三合会という名称は「天、地、そして人」という、三つの要素の調和を表すものとされた。そして三合会は自らの表象として三角形の中に「洪」の字を入れた大門(紋章)を利用した。

中国は、公権力のパワーが強い国家である。特に厳罰主義に即し、薬物犯罪や反社会的勢力の組員には死刑を科する。たま、犯罪とな戦争と呼ばれる厳しい取締りの期間を定期的に実施し、無慈悲なまでに犯罪組織を潰して行く。

どれほど無慈悲かと言うと、犯罪者掃討にも関わらず、国際社会から人権問題だと提起されるほどである。

中華圏最大の犯罪組織、三合会は中国本土では、余り活動が出来ない。そのため主に香港、マカオ、台湾などで活動する。

しかし、これは三合会のように歴史が古く大きい組織の場合に限られることで、相変わらず中国で活動する犯罪組織は存在している。

その殆どは、権力(中共)と結託している。習近平が政権に就きそれ以降、中国政府では、対内外的に犯罪率０%を達成すると公言したが、実際のところ全ての犯罪を根絶することは不可能である。中国では、犯罪組織と暴力団を黒い社会と言う意味で、黒社会と呼ぶ。一部の黒社会は、中国の地方政府と結託し、勢力拡大を行い違法な事業に手を伸ばしている。

中国にも、風俗営業が存在している。私の知人で中国の深圳に単身赴任した人から伝え聞いたことによると、カラオケ店で女性を指名し*を行うことが良く知られているそうである。

ところが、黒社会と中国人民解放軍とが戦った事件があった。事件発生は、2007年9月13日木曜日に、中国河北省石家荘市(かほくしょうせっかそうし)にあるホテルで起きた。

当時、石家荘市は中国の他の地域に比べ、地域黒社会の力が強大であった。

黒社会は、石家荘市の政治と経済に参加することは勿論、公安と軍警察までもが黒社会をシエンしていた。

このような状況下にある石家荘市に河北省に駐屯していた中国第27軍軍団長のチン・ウェイジャンが訪問することになった。

チン・ウェイジャンは、友人と共に参謀のみを帯同し金伯帆(きんはくほ)と言う四つ星ホテルを訪れた。しかし、この金伯帆(きんはくほ)は、オユと言う主任が率いる黒社会が運営しているホテルであった。

金伯帆(きんはくほ)は、石家荘市で最も大きく良いホテルとして有名であった。

しかし、一方では暴力団が運営しているだけに料金が高く、サービスも良くない事で一部では有名であった。

チン・ウェイジャンは、ホテルでサウナを済ませ、友人とお茶を飲んで会話を楽しんでいました。その時、誤ってマグカップを床に落としてしまい割ってしまいます。

これを見たホテルのウェーターが駆け付けて弁償を要求されました。
チン・ウェイジャンは、それに対し謝罪と共に弁償を約束したのでした。

ここまでは、何も問題は無かったが…

ところが、ホテルのウェーターは、日本エンにして、10元(約190エン)ほどのマグカップを手間賃までを含んだ、50元(約千エン)を要求します。

チン・ウェイジャンは、高過ぎると抗議したが、黒社会の組員出身だったウェーターは、50元から更に100元に要求額をアップした。

チン・ウェイジャンは、あんまりだと怒ると、ウェーターも怒り返した。

帯同していた参謀がホテル支配人か社長を呼んで欲しいと要求すると、ウェーターは社長に会うには、500元(約*エン)が必要だと言って来た。

丁度その時、ホテルのマネージャーが降りて来てので、参謀がこの方は、ここ近辺の部隊の軍団長だが、余りにも高い賠償金を要求されていると話した。

マネージャーも来ており、軍団長であることも明らかにしたので、*満に解決すると思いきや、マネージャーは貴方が軍団長なら、私も軍団長だと話して来た。

怒りながら、チン・ウェイジャンは「貴方達は、黒社会の人間かと」問い、ウェーターとマネージャーは、そうだと答えた。

状況は深刻化して行き、チン・ウェイジャンの火のような性格を普段からよく知っていた運転兵士は、このままでは大事に至ると見て、100元(約２センエン)を*、チン・ウェイジャンと参謀を連れ、ホテルの外に出ようとした。

しかし、ホテル内にいた黒社会の組員達が行手を阻み結局、チン・ウェイジャンは、500元(約１マンエン)を追加で支払って解放された。

チン・ウェイジャンは、ホテルから出て来て直ぐに途方も無い怒りを感じた。

直ちに司令部に向かっては、歩兵旅団長らに電話を掛けては、歩兵旅団麾下の部隊員に出動命令を出した。

空輸部隊の特殊部隊100人余りと歩兵400人の合計500人余りの兵力を動員した。
特殊部隊を含めた100人余りは、高位軍幹部護衛と言う名目で、実弾と95式自動ライフルで武装し、残りは夜戦用シャベルと鍬で武装した。

加えて装甲車20台余り、軍用トラック10台、対戦車武器20機まで動員させた。

そして、この兵力を率いて金伯帆(きんはくほ)ホテルを取り囲んだ。

実弾で武装した特殊部隊の隊員が、チン・ウェイジャンを護衛しながらホテル入口を塞ぎ、ホテル内部の民間人を全員外に出した。

200人の兵力は、ホテル周辺の交通をコントロールし、一般人の出入りを防いだ。残りの200人余りの軍人は、シャベルと鍬を持ってホテル内に侵入して行った。

チン・ウェイジャンは、ホテル内の人(黒社会の人)には手を出さないが、ホテルを全壊させてしまえと言う命令を出した。

兵士は、ホテルの1階から4階までを鍬とシャベルで、設置された物品を全て破壊した。
ホテル内部には物品が残ら無くなるまで、破壊は続いた。
当時、ホテルの黒社会の頭だったオユは、留守をしていた時だった。

オユは、自分のホテルが破壊されているとの報告を受け自分の部下、500人余りと共に刃物と拳銃で武装し、ホテルに向かった。

当時、中国では、民間人に銃器使用を許されていなかったが、オユの率いる黒社会は余りにも勢力が強かったので、自前の拳銃を保有していた。

オユが武装したままホテルに駆けつけた理由は、自分のホテルを破壊している勢力が、軍人であることを知らなかったからである。

ホテルに到着したオユは、自分のホテルを破壊している勢力が、軍服を着た軍人であることを知ることになる。いかに強大な力を持つ黒社会であっても、国軍(中国人民解放軍)を相手に戦闘は出来ない。結局、何も出来ず軍人達がホテルを破壊しているのをただ見ていることしか、出来なかった。

オユは、地元行政官僚と公安局の局長に助けを求めるが、チン・ウェイジャンの肩書きを見るや、ホテルを破壊することは構わないが、人は傷つけないでくれと、お願いするだけで、地元行政官僚と公安局の局長は帰って行くだけだった。

いくら上級官僚に助けを求めても、彼らはチン・ウェイジャンと仲良く談笑しているだけで、何の役にも立たなかった。

実は、チン・ウェイジャンは、第27軍団の司令官であっただけでなく、北京首都圏部隊の参謀長も兼任していた最高位の軍部要人であった。

中国共産党(中共)と人民解放軍内でも、エリートコースの一つである。チン・ウェイジャンの父親、チン・チウェイは、人民解放軍の最高階級である上将で、中国国防部長を歴任した人物である。

つまるところ、喧嘩を売る相手を間違えたと言うことだ