周 小川(しゅう しょうせん、ジョウ シャオ チュアン Zhou Xiaochuan、1948年1月29日 〜 )は、中国の政治家、銀行家。

周 小川(ジョウ シャオ チュアン )氏は、習近平の歴史的な「住宅市場救済政策」について厳しいコメントを述べている。

かつて米中貿易戦争の重大な局面でも、周小川(ジョウ シャオ チュアン )氏は「習近平が、経済学を理解していない」とほのめかし非難された事もあり、中々気骨のある人物である。

周小川(ジョウ シャオ チュアン )氏は、中国当局の「不動産市場政策」について、発言することをためらってはいたが「日本の経験を学ぶべきだ」と述べている。

先月の5月17日、中国共産党は突如に「5・17政策」と呼ばれる『不動産市場救済政策』を導入した。
その10日後の5月27日には、上海ではこれを踏まえ率先して「上海9新規則」を公布実践した。

上海では、非上海居住者が上海で住宅購入時に社会補償費や個人所得税*を最低、5年から3年に短縮(2年分の*が免除)された。
また、非上海居住者が独身者でも上海市内で中古住宅１件が購入できる。更に最初の住宅購入のための住宅ローンの頭金は、20%に減額(以前は30〜35%)され金利も3.5%に引下げられた。

また広州では、5月28日に住宅を購入する際、社会補償費または個人所得税の*に必要な年数を２年から６ヶ月に短縮され１線都市の中で最も低くなった。
また、広州では第１住宅と第２住宅の住宅ローン金利の下限が廃止され頭金比率はそれぞれ15%(第１住宅)、25%(第２住宅)に引下げられた。
第３の住宅ローンに関しては3回目以降、ローン決済完了後に再び借入が可能で販売等にも制限は無い。

深圳市は、5月29日から住宅ローンの頭金の最低割合と金利の下限引下げを発表した。深圳市での最初の住宅ローンの最低頭金は、38%から20%に、セカンドハウスの最低頭金は、40%から30%に引下げられた。

中国の中原不動産研究所(ﾁｭｳｹﾞﾝﾌﾄﾞｳｻﾝｹﾝｷｭｳｼﾞｮ)の統計によると、中国の都市で80%以上が、「5・17政策」を実施し始めている。県レベルでは300以上の都市の内、200以上の都市が最初の住宅購入の頭金率15%を実施し、250以上の都市が住宅ローン金利の下限廃止をした。

5月21日、中国共産党の党中央委員会金融委員会弁公室の何立峰(カリッポウ)主任は「『5・17政策』を断固として堅持する必要がある」と警告を発した。

習近平指導部は、不動産危機に端を発した「金融危機」、「不良債権危機」への波及効果を懸念している。(今更ながらの遅すぎた対策だと私、アルピーヌは思っている！ゼロコロナ解禁直後に実施すべき対策ではないか？)

冒頭に述べた、周 小川(ジョウ シャオ チュアン )氏は、日経フォーラム第29回「アジアの未来」に登壇した中国人民銀行（中央銀行）の周小川元総裁は今年5月23日、日本経済新聞のインタビューで、中国の不動産市況の行方について「長期的には楽観視している」と述べた。中国当局は、不動産バブルの崩壊に対応してきた日本の経験を学ぶべきだとも訴えた。

周小川(ジョウ シャオ チュアン )氏の父親は機械工業部部長(1982-85年)を務めた周建南(1917年〜1995年)であり、太子党(紅二代)に属する。朱鎔基元国務院総理(1993〜1995年、中国人民銀行行長を兼務したこともある)に同じ清華大学出身の改革派テクノクラートとして引き立てられ、中国人民銀行行長(総裁)、貨幣政策委員会主席を歴任した経歴を持つ。

略歴
* 1971年、清華大学自動制御系卒業
* 1986年、中国共産党入党、国家経済体制改革委員会委員(1991年まで)
* 1989年 - 対外経済貿易部部長補佐
* 1991年、中国銀行副頭取、国家外貨管理局長
* 1997年、中共第15回全国大会で中央委員候補に選出
* 1998年、中国建設銀行頭取
* 2000年、中国証券監督委員会主席(2002年12月まで)
* 2002年、中共第16回全国大会で中央委員に選出
* 2003年、全人代で、中国人民銀行長に就任。
* 2007年、中共第17回全国大会で中央委員に再選
* 2008年、全人代で、中国人民銀行行長の続投(2期目)が決まる
* 2012年、中共第18回全国大会では、中央委員に選出されず
* 2013年、中国人民政治協商会議副主席に就任。全人代で、中国人民銀行総裁の異例の再続投(3期目)が決まる。
* 2018年、中国人民政治協商会議の全国委員会委員に再任されず、中国人民銀行行長を退任。

評価
中国の中央銀行は先進国の中央銀行と異なり、中国共産党や政府から独立して金融や為替政策の判断は行えず、中国人民銀行行長は中華人民共和国国務院(日本の内閣に相当する)を構成する閣僚であり、共産党での序列は最高指導部の他の7人に遠く及ばない。例えば、2008年の世界金融危機の際は周の反対を斥けた国務院に従って大規模な金融緩和を実行したことでマネーサプライ(M2)の伸び率を高めた中国人民銀行は総資産が世界最大の中央銀行となり、スタンダードチャータード銀行は「周小川は中国の中央銀行トップのみならず、全世界の中央銀行のトップである」とも評した。
しかし、中国経済ウォッチャーは、わかりやすい言葉で経済政策を説明する力に期待して、周の言動に注目してきた。アメリカ合衆国のFRB議長を務めたアラン・グリーンスパンも、その著書『波乱の時代』において、「周は、BISの定期会合で、主要途上国の中央銀行関係者からとくに歓迎された。周総裁は英語が堪能で、国際金融に精通しているうえ、他の情報源からは知ることのできない中国の実態を素直に話してくれた」と紹介し、高く評価した。
在任中は国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)を国際準備通貨にすべきと主張したことで周は国際的に注目され、2015年11月に人民元はIMFにおけるSDR構成通貨入りをした。また、ビットコインやリブラなどの仮想通貨は法定通貨の脅威となると主張しており、2014年に周は中国人民銀行による中央銀行デジタル通貨の研究開発を決定した。