中国共産党が新たに設置した役職「封疆大吏(ふうきょうだいり)」とは…

中国の明・清王朝に地方レベル(一つの省、又は複数の省)で、最高の軍事・政治権力を握っていた官吏を指す。

最近、地方の党委員会書記が国家安全委員会主任の名で、初めて会合を開き「政治安全」を最優先で重視すると発言した。

私アルピーヌは、この時点で中国の政治安全が危機に瀕していると考える！
毛沢東時代に戻すだけでは満足せず、明・清王朝の時代に戻すつもりか？

共産党国家に支配される中国が、北京から地方に至るまで政権自身の安全保障をこれほどまでに心配していること自体、人民の不安を煽っているのでは？

一部のアナリストは、習近平が3期目を迎え「強固な権力基盤」を構築したと言われるが、習近平は常に政権維持の不安を抱えていると言う。

三中全会開催の直前、習近平は危機を増す経済問題にどのように対処するかよりも、党内矛盾(党内対立)を躍起になって重要視している。

官製メディアによれば最近、これが地方幹部が「省国家安全委員会主任の立場」で安全保障業務を実施する理由であると伝えた。

この背景には、習近平が今年、4月14日に中央国家安全委員会主席として初めて「中央国家安全委員会の第1回会議」を主宰していたことに関連する。

この会議で、習近平は「政治安全保障を根本とし、中国の特色ある国家安全保障の道を歩む」重要性を強調している。

党中央レベルでは、習近平が国家安全委員会主席を兼任し、省市レベルでは当該する地域の党委員会書記が国家安全委員会主席を兼任する。

例を挙げると、安徽省(あんきしょう)党委員会書記兼国家安全委員会主任の韓軍(かんぐん)氏は「国の政治安全、特に政権の安全、体制の安全維持を第一に考えるべきだ」と述べた。また「リスクや隠れた危険の調査を強化し、政治問題の引金に成り易いセンシティブな要因に対して早期に事態を察知し迅速に行動できるようにする」ことが必要だと言う。

一方、上海の陳吉寧(ちんきちねい)党書記、雲南省の王寧(おうねい)党書記、重慶の袁家軍(えんかぐん)党書記が、それぞれの省市レベルで安全保障会議を開催したと伝えられる。

フランスの『RIF(ラジオ・フランス・アンテルナショナル＝フランス国営ラジオ放送局の一つでフランスと世界に向け24時間放送を行うラジオ局)』によれば、中国が国際的に孤立を深めていなければ、各地の安全保障会議は「習主席が地方の党書記を褒め讃える」だけのものに過ぎないだろうとのコメントを伝えた。

各地の指導者達は、この機会に習近平に忠誠を表明し「二つの擁護」を決して忘れていないことを示したのだろう。

この「二つの擁護」とは、習近平を党全体の核心とする立場を断固堅持し、中国共産党中央委員会の権威と中央集権的指導を断固堅持する」ことを指す。

長らく延期されていた三中全会が開催(来月の7月か？通例では昨年秋に開催)されようとしており、この会議での焦点は党内矛盾(党内対立)の複雑化にどう対処するのかではないだろうか？

第20回党大会以降、軍部内の党幹部が相次ぎ粛清されていることもその表れと思われる。

現在の状況下で開催される三中全会会議で、習近平の側近達は「些細な問題にも目を光らせる」必要性をより一層強く感じるかも知れない！