中国では、地方政府の財政状況が逼迫しており、政府職員への給料を支払うために借金をするほどに至っている。

この問題を解決するため、中国各地の地方政府は「税務の見直し」を実施した。

その内容とは、数十年前に企業が納めた納税状況を再調査することであった。

日本では、税務調査に於いて遡及(そきゅう)する期間は「5年」を原則としている。遡って追徴課税が行える期間は、原則5年と法律で規定されているためである。そのため帳簿や領収証などの資料も最低でも5年は保管する必要がある。

中国メディアの今年、4月18日の報道によると広東省仏山市(かんとんしょうぶつざんし)の高明区(こうめいく)税務局第二分局は、仏山市にあるニューワールドホテルが、10年以上前に廃業したにも関わらず、1997年〜1999年に掛けて93 万元(約2千万ｴﾝ)の税金を滞納しているとの税務事項通知を発行した。

仏山市のニューワールドホテルに対する追徴課税通知は、中国のネット上で大きな反響を呼んだ！

何故ならこの時期、中国各地で行われている「税務30年、遡り調査」が騒がれており、多くの中小企業が不安に陥っている。

今回は、この10年以上前に廃業したホテルに対し、未納税のシハライを追徴課税したことについて、ネットユーザー達は次々と疑問を投げかけた。

「廃業した際に未納税が無いか、確認しておくべきではなかったのか？こんなに長い年月を過ぎてから再調査をするなんて、税金調査の職務怠慢ではないか？誰が責任を負うのか？廃業した企業を調査するにしても、廃業後の期間については、滞納金を取るべきではない」

また「地方政府は本当に金欠だ」と言う人もいる。

更に税金を遡って調査することは、既に行き過ぎているが、正に廃業した企業まで調べるとは思わなかった」と嘆く声もあった。

一部のネットユーザーは、中国共産党の官僚にも非難の矛先(ほこさき)を向けた！

「全ての官僚に対しても、30年遡って調査すべきだ！例え一部の官僚が退職したり亡くなっていたとしても、徹底的に調査を行い彼らが不正で得たオカネや横領したオカネを回収すべきだ！亡くなった官僚が汚職して不正に得たオカネは、その子供達に残されているはずなので、子供からもオカネを回収すべきだ！そうして初めて国民は、納得するだろう！」と投稿した。

江蘇省徐州市に本社を置く、維維食品飲料股份有限公司の子会社の一つが、1994年1月1日から2009年10月31日までの消費税を適時に申告しなかったとして、8500万元(約19億ｴﾝ)の税金と滞納金を追徴された。

更に税務機関は「滞納金の*は、現時点では確認出来ない」と述べている。

この事例は、30年前に遡るため市場では税務機関が「30年間の見直し」を行うというパニックが広がっている。

中国のメディア報道によると、少し前にも税務部門が多くの企業に対して、かなりの額の税金と滞納金が追徴課税となっている。

例えば、ザンゴー・マイニング(藏格鉱業)の子会社が当局から追求を受け、総額約4.8億元(約106億ｴﾝ)の税金と滞納金を追徴して支払うことなった。

チャイナリン・セキュリティーズ(華林証券)は、法人所得税と滞納金として、合計4732マン元(約10.4億ｴﾝ)を支払うよう求められた。

あるネットユーザーはX(旧Twitter)で、20年分の税金を追徴された企業が多く、広東省恵州市のある企業は、5000万元(約11億ｴﾝ)を罰金として支払ったと述べた。

また杭州市のある企業の年間最大収入が、4億元(約88億ｴﾝ)にもかかわらず、3.6億元(約80億ｴﾝ)の罰金を課せられたことを明らかにした。

現在、ビジネス界で最も話題になっているのは、このことで多くの企業経営者が活動を控えるようになり、タンピン(寝そべり)しているとされている。