中国の食品安全に再び重大な問題が発覚した！

今月に入り中国の食品会社が、洗浄されていない工業用燃料輸送タンクローリーを食用油の輸送に使用した疑いが浮上した。

この恐ろしい事実が「新京報(中華人民共和国のタブロイド紙で 「光明日報」グループと広東の「南方日報」グループの共同出資 によって設立した会社が発行)」によって初めて報じられると直ぐに広範な注目と強烈な世論の反応を引き起こした！

「新京報」7月2日の報道によると、中国での多くのタンクローリーは、輸送する液体が固定されておらず、シロップ、大豆油などの食用液体と石炭液化油などの化学液体の両方を同じタンクローリーを使い輸送していることが、長期追跡調査で明らかになった。

経費を削るために多くのタンクローリー運転手は、荷物を積み替える際にタンク内を洗浄せず、一部の食用油メーカーも規定通りにタンクの洗浄と清潔さを確認していないため食用油が化学液体の残留物で汚染されていた。

今年5月21日の朝「新京報」の記者が、一台のタンクローリーを追跡すると、このタンクローリーは、河北省燕郊(かほくしょうえんこう)にある食用油会社にゆっくりと進入した。１時間後、このタンクローリーは30�d以上の大豆油を満載して工場から出発した。このタンクローリーは３日前に一度、寧夏(ねいか)から河北省泰皇島市(かほくしょうしんこうとうし)に石炭液化油を輸送し、荷降ろし後にタンク内を洗浄せず、そのまま食用大豆油を積載して輸送していた。

石炭液化油は石炭を加工して得られる化学液体で、液体ワックスや白油などが含まれる。

あるタンクローリーの運転手は、食品用の液体と化学液体の混用輸送および未洗浄のまま輸送することが、この業界では公然の秘密であると述べている。

中国メディアの報道によると、追跡地点には寧東(めいとう)エネルギー化学基地の積載場所が含まれており、この基地は寧夏回族自治区霊武市(ねいかかいぞくじちくれいぶし)にイチし、中国最大の石炭液化油プロジェクトを有している。

敷地面積が、数千ムー(1ムーは約6.67アール)の石炭液化油工場では、寧煤石炭液化油分公司の物流センターに毎日多くのタンクローリーが出入りし、石炭液化油を積載する準備をしている。

記事は、タンクローリーが寧東石炭液化油工場を出発し、２日後に千㌖以上離れた河北省泰皇島市(かほくしょうしんこうとうし)に到着するのを追跡した。荷降ろし後、このタンクローリーは、河北省三河市燕郊鎮に向かい滙福粮油(かいふくりょうゆ)グループの生産工場に入った。そして石炭液化油を降ろしてからタンク内を洗浄せずにこのタンクローリーは、１時間後に満載で工場を出発した。この工場の門衛が保管していた輸送書類によると、このタンクローリーは、一級大豆油を積載しており、貨物の正味重量は31.86�dであった。

この報道は、社会に一石を投じ千の波を起こしたかのようであった。

多くの中国の有名な食用油ブランドも、この事件に巻き込まれた！

一夜にして、中国全土の人々が恐慌に陥った！

毎日使用している食用油に工業用油が、混ざっている可能性があるという事実は、想像するだけで身の毛がよだってしまう！

中国農業大学食品学院の朱穀(しゅき)准教授によると、石炭から作る油は主に炭化水素で、その中に含まれる不飽和炭化水素、芳香族炭化水素、硫化物などの化学成分は、人体に対する健康リスクがあり、長期的に摂取すると中毒になる危険性があると述べた。

朱穀(しゅき)准教授は、もし食用油を輸送するタンクローリー車が、他の化学工業液体を輸送するなら、そのリスクは更に予想し難いと考える。

これに依り、中国の小紅書(しょうこうしょ)、微博(ウェイボー)、TikTokなどのソーシャルメディアで、「香港で油を買う」という話題が広まった！

香港で店を経営する、あるネットユーザーは動画を公開し、最近多くの人が中国本土から来て油を買い占め、店の在庫がほとんど無くなったと話す。

また、別のネットユーザーは多くの人が香港から中国本土に戻る際に食用油をいっぱい持ち帰っていると投稿している。

2008年(リーマンショックの年)、中国では牛乳へのメラミン(有機化合物の一種で構造の中心にトリアジン環、その周辺にアミノ基3個を持つ有機窒素化合物を指す)混入事件が発覚したり、多くの赤ちゃんが三鹿(みしか)グループの粉ミルクを飲んで腎結石になり、その粉ミルクには化工原料のメラミンが含まれていたことが判明したりした。

中国の衛生部によると、2008年度の12月末までに累計報告患者数は29.6万人、入院治療者数は*2898人に上る。

この事件により、中国の親達は国産粉ミルクに対する信頼を失い、香港に行って輸入粉ミルクを買い求めた。

あれから16年後の今日、中国人が香港で物資を買い占める事件が再び発生した。

但し今回は粉ミルクではなく、食用油だ。

広州市に住む譚(たん)さんは、ボイス・オブ・アメリカとのインタビューに対し「私の生活の要求はシンプルで、自分と家族が健康に食事出来ることです。燃焼を運んだタンクローリーが洗浄せずに食用油を輸送するなんて信じられない。こんな事が、どうして我が国で次々と起こるのでしょう？」と語った。

中国の屋台食は、有名であるが台湾の人々は、これらの屋台料理を絶対に食べない。その訳は屋台で使われている食用油には下水から拾い集めた油や食堂の廃油など、何が使われているか分からないケースが余りにも多いからだと言う。