ワンルームディスコ
晴れの日が続く土曜日の昼間に、そのマンションに着いた。
なんてことはない、風水鑑定の依頼だ。
マンションの向き、幹線道路からの距離、周辺の環境もチェックした。
そうして歩き回っていたら、背中まで汗でビッショリになってしまった、蝉も鳴かない、蚊も出てこない。暑い、暑い日のオートロックマンション前。
依頼者の部屋番号をポチポチと、
「こんにちは、風水鑑定に参りました、そらです。本日はよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
こざっぱりしたエントランス奥に、8人乗りの小さめエレベーター、ベタベタなワンルームマンションの典型例だ。
エレベーターから出て左に曲がると、3部屋先に女性が外で立っていた、
あの人かな?
向こうもすぐに気づいたみたいで、軽い会釈。
「こんにちは」
「こんにちはー」
「そらです、本日はよろしくお願いします、サキさんですか?」
「はい、そうです、こちらこそよろしくお願いします」
依頼者が部屋の前で待つ、何故か?
部屋が汚いからだ
扉の下がこの部屋だけ黒ずんでる
「あの、すいません、言ってなかったんですけど、ちょっと、、、いや凄く部屋が散らかってて」
「はい」
「で、あのこれスリッパです」
新品のスリッパを渡された
「ありがとうございます、それじゃ始めましょう」
ガッ
イィーー
扉があいた