ワンルームディスコB
カチャ
ドアが内側に開かれた、
ドゥワァン!
部屋の威圧感か、匂いか、そう聞こえた。
おそらく10畳程の部屋に積み上げられた、布、箱、袋、プラスチック、が、地層を形成していた。部屋の入り口から徐々に積み上げられ、正面の奥には窓の上部分がかすかに覗き、カーテンが地面に引きずられてレールの隙間から日光が漏れていた。
「す、ごいですね」
「ごめんない、忙しくて、、でも何処に何があるか分かるので、便利といえば便利なんです」
風水鑑定どころではない、
今、私は蟻地獄の底にいる
手前の方にシャンプー、トリートメント、洗濯洗剤があった。
私が来る前に努力したのだろう
地層の隙間から高そうな服、箱に入ったブランドのバッグ、一度も開けられていない物も見える。
仕事が出来る人なんだろうな、自分より、仕事。自分より、相手を優先してきたんだろう。
この部屋にあるのはゴミではない、彼女の意志を尊重し、この状態での最善を尽くそう。
「あ、ここからここまではゴミなんです」
「わかりました、では、ここからここまでをまず捨てましょう」
どんな仕事でも、掃除というのは基本中の基本である。
スピリチュアルも掃除が基本だ。