『最強』とか『無敵』とかいうワードは世の男性心をくすぐるものです。

私も学生時代から強いとは何なのか？
喧嘩が強い フィジカル的なものなのか
心が折れない マインド的なものなのか

あらゆる業界の人間で一番になった、いわゆる偉人や天才と言われる人を追っかけては分析してきた。

スポーツ選手 芸能人 経営者 …

未だ自分の中でこれと言った真理のようなものは導き出せていないが、死ぬまで人生の課
題になるであろう事は間違いない。

それに関して最近気になったことが…
中島敦の 名人伝を読んでいて
主人公の男が弓矢の名人に至るまでの
修行を書いた物語である。

百発百中獲物を狙いうちできるまで
修練したのち男は、師より『本当の名人は弓
など使うまでもない』と″不射の射″なる
秘伝の境地へと誘われる。

何年も修練し『不射の射』の境地を体得した
男。最後には弓矢の存在すら忘れはて物語は完結する。

この『不射の射』という境地が引っかかる
…最強になろうと気合いを入れていた
自分自身をひっくり返された様な、
すかされた様な気がしてならないが。

つまり弓矢を使って放つ 射の射と
弓矢を使わないで放つ 不射の射は
入口は違えど結果は同じ。

この意味不明感が『最強』か『真の最強』
かを分けてるのだろう。