◆苦悩の天才画家が見つけた奄美の美【田中一村展】鑑賞
上野.東京都美術館
日曜日12時半入館
画題モチーフが
日本本土の花鳥風月とは異なる
南洋奄美の風物
アダン、蘇鉄、檳榔樹、ガジュマル、
不喰芋、赤翡翠(アカショウビン)、蛾…
生命力に溢れた南洋の
自然を力強くイキイキと繊細に写す
モチーフのインパクトもあり
濃密な描き込みは油絵を思わせるが
コレが清廉な日本画であることに
新鮮な驚きと感動を覚える
裏打ちされた画筆技術の高さ
画面イッパイに描かれた
南洋奄美の美が滴り落ちてきそう
田中一村(190**)
神童と呼ばれた画筆の天才
10才に満たない頃の作品にも
すでに大器の予感あり
20才前後では
描き込みの密度や画讃などに
弾けるような若い勢いを感じ
個性が表出
東京芸大を2ヶ月で退学し
己が道を探しながら画業に
研鑽に打ち込む
30-40代は苦悩の時期…
奄美を見つけたのは
なんと50才を超えてから…
中央画壇から一線を劃し
痩せても枯れても
己が道を徹底的に歩み切る姿に
打たれるものがある