【合歓綢繆】 色褪せない初恋
1991年(平成3年)普賢岳の噴火
当時、ぼくの学校では縄跳びが流行っていた。
ぼくは少しだけ縄跳びが得意だった。
年下の男の子や女の子が縄跳びを教えるのが楽しかった。
それが朝や昼休みや放課後の日課でもあった。
ある朝、いつもの縄跳び友達の中に見知らぬ顔の女の子がいた。
男の子に聞いても知らない、女の子に聞いても知らない。
誰も彼女を知らないのに、彼女は誰とでも友達のように話をしている。
彼女に縄跳びを教える時に話を聞いた。
彼女は転校生で今日が登校初日らしい。
それがぼくと彼女の初めての出会いである。