洞窟の比喩
哲学が好きでプラトンを読んでみた。
洞窟の比喩が面白い。
人間は生まれながら正面しか見えないよう
拘束されている。
目の前の壁には蝋燭の火で映し出された影が
動いていて、その影を人間は実物だと思いこんでいる。その影にある法則性を見出だした者は称賛されている。
しかしそれらはあくまで薄暗い洞窟の中の出来事に過ぎない。
ある時、拘束を解かれた一人の人間が
洞窟の外へと連れ出される。
外の本当の光を浴びた者はあまりの眩しさに
目を開けていられない。しかし段々慣れてきて今まで自分が見ていた者は蝋燭の明かりに映された偽物だった事に気づく。
この事実を洞窟の中の者に告げに行くが
狂人になったなどと言って聞く耳を持ってくれないのだった。
というお話です。
天照大神の天の岩戸隠れにも似ているようなお話ですが非常に面白い。
釈迦の言う無明こそ迷いであり、苦しみであるとは正にこの事を言っているのだと思った。大悟した時明星を見た、光の神秘体験
をしたという聖人のエピソードはよく目にするが納得である。