非現実のサイトの世界では
誰しもが、偽りの仮面を被っている。

承認欲求を満たしたい
各々の欲や願望が渦巻く中で
綺麗事を並べてみても
所詮はFAKEに過ぎない。


自分の世界でしか物事を考えられず
自分の価値観を押し付ける
他者への想像力の欠如。

何を言っても良いと考える匿名性と
不安や不満や感情の起伏に溢れて
キツネとタヌキ
化かし化かされ
負を押し付け合うこと
甚だ見るに耐えがたし。

しかしそこにこそ
人間の人間たるを感じ取る。


誰しも菩薩や聖人君子・聖女ではない。
そして誰しもが煩悩を抱える生き物だ。

底辺を知ると
清らかな世界の有り難みがわかる。

感謝と尊敬
幸福や平穏
愛や希望
健康や優しさ

心の底では求めているだろう
ポジティブな世界は、
遠くにあるものではなく、
個々の心に平等に宿る。


たまには
下界に降りて
きったならしい欲望の泥水に
ドップリと浸かり
堕ちるところまで堕ちるといい。

あとは上がるだけだ。

現実はそうそう甘くはない。
妄想の世界に何ら興味はない。
何かに追われて過ぎていき
懸命にリアルな日々を生き
ひとすじの蜘蛛の糸を手繰るよう
甘露を求めてここを彷徨う。


そんな私も
ここでは仮面を被っている。
そう、ここは出会い系サイト。


このFAKEな世界の片隅に。




「人格を木とするならば
　評判は木の影のようなものである。
　影は我々が木をどう思うかであるが、
　木こそが本物である。」
(エイブラハム・リンカーン；第16代米国大統領)