『願い事』
ネガイマス!カキマス!アノニマス
(* ̄∇ ̄)
ニキネタないので、たまには小説(ショートショート)でも載せましょう
( ・ω・)交代人格のひとり『小説家』におねだりしてさらさら書いてもらったやつ
『願い事』
悪意が色を持ったようなくすんだ空の下、ぬかるむ塹壕には、血と油と硝煙の臭いが立ち込める。
絶え間なく響く発砲音、断続的な爆音と、飛び散って来る土片。
塹壕から泥まみれのライフルを滑られせ構えた兵士は、刹那に右目を撃ち抜かれ、頭部の半分が吹き飛ぶ。
その血潮を浴びながら、別の兵士が引き金を引く。
そこに降って来た炸裂弾が、一瞬にして人を肉塊に変えた。
幸運の陰りを照らす月夜。荒野にはキャデラックのエンジン音だけが響く。
ヘッドライトが照らすのは、後ろ手に縛られた男が跪く姿。
紫煙を燻らす男がその後ろに立ち、自らが咥える煙草をその男の口に咥えさせる。
幾度か煙を吐いた口元には、僅かな笑みが浮かぶ。
一方の男は、胸元からコルトパイソンを引き抜き、背後から頭を撃ち抜いた。
響く銃声の後、車は荒野の砂利を削りながら走り去る。
予鈴が愚鈍に響く教室には、讒謗を囁き合い、含んだ笑いを漏らす女子達。
その嘲笑を浴びる女子高生は、いたたまれなくなり、悲壮を張り付けた顔で教室を飛び出す。
縺れる足取りで駆け、校舎と校舎を繋ぐ連絡通路の扉をぶつかるように開け放ち、悲痛な叫びと共にその身を地上へ投げ出した。
晴天の青が、少女の見た最後の光景となり、鈍い音が重く響く。
苔むし、所々草が生える石畳の隙間に、赤い命の残穢が染み込んで行った。
争い、殺し、傷付け合う人々が暮らす地球。ある時、空の彼方から魔神が現れ、願い事をひとりにつきひとつだけ叶えると言った。
半信半疑の人々の中、ひとりの男が勇気を出し、魔神に願い事を言う。
「魔神様、魔神様、俺をどうか億万長者にしてください」
魔神は雲のような青い身体を燻らせ、野太い声で答える。
『容易い願いだ』
その瞬間、男を埋め尽くすほどの札束が降り注ぎ、男の願いは見事に叶った。
しかし、同じ願いをする者が次から次へと現れ、おカネの価値は世界から失われた。
難病による奇形で醜い女性は、魔神に願った。
「魔神様、魔神様、どうか私の病を治し、絶世の美女に変えてください」
魔神は山のように巨大な身体を弾ませ、太鼓の音のように芯に響く声で答える。
『容易い願いだ』
女性の病は見事なまでに治り、その容姿は美しく変貌した。
しかし、同じ願いで美しさを得る者が後を絶たず、世界から美醜の概念は失われた。
貧弱な青年は魔神に願った。
「魔神様、魔神様、僕に空を飛び、山をも砕くような超人的な力を与えてください」
魔神は太い腕を強調するようにサイドチェストのポーズを取り、快活に声を響かす。
『容易い願いだ』
青年の身体は浮き上がり、ビルを突き抜け、バスを片手で持ち上げる程の力を得た。
しかし、同じ願いで超人となった者達との争いは絶えず、世界中の街が破壊されて行く。
そんな世界を憂い、ひとりの少女が魔神に願う。
「魔神様、魔神様、どうか世界から人々の全ての争いを無くし、平和をお与えください」
魔神は、太い指で長い髭を撫で、大気を震わせ答える。
『容易い願いだ』
その瞬間、超人達の争いで響き続けていた破砕音はぴたりと止み、静寂が包む。
願いが叶ったことに笑顔を浮かべた少女だったが、周りを見渡し、次第にその笑みが凍り付いて行く。
「魔神様! 皆はどこに消えたのですか!?」
少女がどの方向を見ても、荒れ果てた廃墟が広がるばかりで、人の姿はどこにもなかった。
億万長者も、絶世の美女も、超人さえも消え去り、しんと静まり返る。
『人は二人揃えば争う生き物。故に、そなた以外全て消した。これで争いは二度と起こらぬ』
少女の顔にみるみる広がる絶望。
「そんな!? 戻してください。皆を元に戻してください!」
魔神は、顎に人差し指を添え、首を傾げる。
『願いはひとりひとつまでと言ったであろう。その願いは叶えられない』
蒼白の顔で、願いを懇願する少女のすがる手からすり抜けた魔神は、ゆらゆらと空へ昇る。
『我がいることで争いが生まれそうなので、この地を去ることにしよう』
すがるように天に手を伸ばす少女。
「待って! 待って! 魔神様! 皆を戻して!」
魔神が消えた曇天の空に、少女の慟哭が虚しく響く。
「誰か!? 誰かッ!? 願って! 願ってッ! 元の世界へと! 魔神が現れる前の世界に戻してと! 何も願わないから、願い事なんかしないから! 誰かーッ!?」
それすらも、他力本願であることを少女自身が気付いてはいない。
一方の魔神は、大気圏を抜け、宇宙に飛び出しながら独りごつ。
『この星の生き物も、いくら願いを叶えようとも幸福を得ることは出来なかったか。次の星でこそは、我が願いで人々を幸福にしたいものだな』
期待に胸を膨らませる魔神は、暗黒の宇宙の彼方へと消えて行った。
終わり
ってな感じのお話でした
(* ̄∇ ̄)ノ
小説に解説とか野暮なので、各々感じたままの感想で
( ´・∀・`)
『小説家』が書いたままなので、難解な字も多いですが、わからない言葉があったらググってください
(* ̄∇ ̄*)私がルビとかふるのもあれなので。まるで皆さんがこの字読めんだろうと思っているみたいになりちょい失礼
写真はお洒落カフェのランチとスイーツ
(*´▽`*)
プレートランチは、まあ普通だったけど、カップティラミスがめちゃ美味しかった
(*´ー`*)♪
他にもスイーツメニューいっぱいあったから全制覇しよう
(* ̄ー ̄)ザ・甘党