シリアで、ロシア海軍基地があるタルトゥースの弾薬庫をイスラエル軍が爆撃した。

シリアではアサド政権崩壊後に、シリア軍の弾薬庫やシリア軍施設、数百ヶ所に対してイスラエル軍によるピンポイント爆撃が繰り返し行われていた。

しかし今回、2024年の12月15日夜から16日の朝にかけてシリアのタルトゥースの弾薬庫を爆撃した時には、まるで核爆発が起きたのではないか？と思われるほどの大爆発であった

尚、ロシア軍のタルトゥース海軍基地まで攻撃されたかは不明である。

また、シリアのアサドが失脚前に、トルコが反体制派のイスラム教スンニ派を積極的にシエンしているとイランのアラグチ外相に不満を漏らしていたことが分かった。イラン当局者２人がロイターに語った。

５０年余り続いたアサド一族による支配は、アサドが８日にロシアに亡命したことで終わりを告げた。シリアの長い内戦でイランはアサドをシエンし、アサド政権の崩壊は中東でのイスラエルと米国の影響力に対抗するイラン主導の「抵抗の枢軸」への大きな打撃になるとの見方が広がった。

国際武装組織アルカイダの流れをくむ反体制派「シャーム解放機構」(ＨＴＳ)がシリアの主要都市を占領し、首都ダマスカスに向かって前進していた今月２日、アサドはダマスカスでアラグチ氏と会談。イラン当局者によると、アサドはトルコが自身を失脚させようとする動きを強めていることに怒りをあらわにした。アラグチ氏はイランがシエンを続けるとともに、トルコに憂慮を伝えると約束した。

アラグチ氏は今月３日、トルコのフィダン外相と会談し、トルコがシリアの反体制派を*していることに対する深い懸念を表明した。１人のイラン当局者は「会談は緊迫したものだった。イランは、トルコが米国とイスラエルの基本方針に同調していることに不満を表明し、アサドの懸念を伝えた」と説明した。

これに対し、フィダン氏はアサドが真の和平交渉に参加せず、長年にわたる圧政が対立の根本原因だと非難したという。会談に詳しいトルコ外務省筋は、それらはフィダン氏の正確な発言ではなく、アラグチ氏はアサドからのメッセージをトルコに伝えることなどはしていないと語った。

長引く内戦や制裁で経済危機が深刻化し、自国民の命はないがしろにしても、麻薬の密輸を取り仕切ることでアサド一族や取り巻きは潤っていたとも指摘されている。自分たちの利益のみを追い求めた政権が、国民の信頼を失って 終焉(しゅうえん)に追い込まれたのは必然だったともいえる。

一方、ロシアの首都モスクワの通りで今月17日、爆発がありロシア軍の幹部ら2人が死亡した。ウクライナの治安当局は、前日、この幹部について戦争犯罪の疑いがあると発表していて、ウクライナ側が実行したという見方が出ている。
ロシアで重大事件を扱う連邦捜査委員会は今月17日に首都モスクワの通りで爆発があり、2人が死亡したと発表した。

発表によると、死亡したのはロシア軍で生物・化学兵器などを担当する部隊のトップ、イーゴリ・キリロフ中将と、その補佐官で、住宅の玄関付近に仕掛けられていた爆発物が爆発し死亡したとのこと。

ロシア連邦捜査委員会は、テロ事件として捜査を開始したことを明らかにした。

今回の事件の背景はわかっていないが、ウクライナ保安庁は、前日の16日、キリロフ中将について「禁止されている化学兵器を大量に使用した責任者だ」としたうえで、中将の命令によって化学兵器が使用された例は4800件以上で、戦争犯罪の疑いがあると発表していた。

今回の爆発について、ウクライナメディアなどは、ウクライナの治安当局が実行したという見方を伝えている。

ウクライナへの侵攻以降、ロシアでは爆発事件などがたびたび起きている。

2022年8月には、モスクワ郊外で乗用車が爆発し、プーチンの外交政策に影響を与えてきたとされる思想家の娘が死亡した他、2023年4月には、第2の都市サンクトペテルブルクで、侵攻を支持する内容をSNSで発信していた軍事ブロガーの男性が死亡している。

写真は、左からシリアのタルトゥースの弾薬庫をイスラエル軍が爆撃した写真、中央の写真は爆撃の際にタルトゥースの南西16�`�b地点で爆発によりマグニチュード3の地震を記録した観測データ、左下はアサド