ヒーロー
物心ついた頃
スーパーヒーローに
憧れたんだ
強くて 優しくて かっこよくて
ビームなんか出せて
圧倒的な人気者で 正義で
現実にないもの
全部全部もってるから
中学生にあがる前
スーパーヒーローの
正体がわかったんだ
中身はただのおっさんで
強さとか全部全部
つくりもので
裏切られた
こんなことだと思った
しょせん世界なんて
こんなもんだ
なんて
全部わかってるつもりで
嘆いていたのは 中3の夏
今になって思うのは
君にも 僕にも
あのときのヒーローにも
背中にはきっと
銀色のチャックがついてて
中身はただの
へなちょこなんだってこと
逃げ出したくなるときが
あるんだってこと
だけど
着ぐるみでも外面でも
誰よりも強くありたいと
優しく思われたいと
生きようとする意志が
それそのものが
大事だってこと
君をみてると
不思議とそう思えるんだ
巨大化なんて出来なくて
もちろん
ビームも出せないけど
だけど
自身の弱さも全部抱えて
そのうえ
他人を守ろうなんて
そんなきれいごと
やってのけようとする
君がいたから
だからこそ
あのとき僕の目には
眩しく映ったんだよ、、、
映ったんだってば!!