敗走
うつろな目をした
ボロボロのソルジャーが
鉛のような足を引きずり
意味も分からず
歩を前に進める
孤独や虚無に
押し潰されるのが怖くて
無理矢理に顔を引きつらせ
黄ばんだ歯をむき出して
ワハハとお道化てみせる
興味本位に近寄っては去って行く
景色や俗物達を
背負って連れていけぬ事に
無駄に正義と罪悪感を溜め込んで
立ち止まり抱き止めてやれぬ事に
無駄に運命と無力感を責め立てて
そうやって善人ヅラした
ソルジャーを
周りはなんとも思っちゃいないのに
なんとも思っちゃくれないのに
もはや
どこで何と戦ってるのかさえ
もうどうでもいいとさえ
投げやりな思考と視線の先に
ただ
歩を進めるしかない
ただ
歩を進めるしか
思いつかないから
とりあえず
太陽の逃げてゆく方角に
鉛のような足を
明日も踏み出す