ゆとり世代の年齢とは?ゆとり世代の仕事や恋愛における特徴について解説

ゆとり世代とは?

ゆとり世代とは?

ゆとり世代とは、2000年代初頭に行われていたゆとり教育を受けた世代です。詰め込み教育との大きな違いは、学習内容の削減・教育方針の違い・週休二日制の採用などです。ゆとりのある教育により、自分で学ぶ意思や他者と認め合う心を育成することを目的として施行されました。子供同士を競争させない・差別しない・追い込まないといった方針の個性尊重型教育を受けたゆとり世代は、「自分は自分」と他者との価値観の違いを自然に認め、マイペースな行動傾向を持つようになりました。

ゆとり世代の年齢層はいつからいつまで?

ゆとり世代は、1987年~2004年生まれの世代を指します。詰め込み教育からゆとり教育への移行と、ゆとり教育から脱ゆとり教育への移行を経験している世代です。この17年間のうち、何年に生まれたかでゆとり教育や他の教育をどの程度受けたかが異なるでしょう。中でも1995年生まれの子達は、小学校・中学校・高校の12年間全てがゆとり教育だったスーパーゆとり世代です。

ゆとり世代が生まれた背景となる社会情勢

バブル経済が崩壊するまでの学歴社会の中で、詰め込み教育は行われていました。社会的に偏差値重視で、受験戦争や他者との比較にもがき苦しみ、子供たちがストレスを感じた結果、いじめ・不登校・家庭内暴力などがさまざまなトラブルを発生させました。社会問題を解決することを目的として、2002年に政府は教育現場の改革として「ゆとりある充実した学校生活の実現」に乗り出しました。子供の人間性・個性・独創性・自律性を伸ばし「生きる力」を身に付ける教育で、相対評価から絶対評価へ評価方針も変わりました。

さとり世代つくし世代とは?

さとり世代は1996年~2005年生まれと1990年以降生まれが該当するので、ゆとり世代と重なる時期があるでしょう。さとり世代は、物欲・承認欲求・出世欲などの欲がない特徴があります。欲や執着心を持たず堅実な人生を望む姿勢を、仏教で使われる「悟りを開く」になぞらえて、さとり(悟り)世代と呼ばれるようになりました。一方で、つくし世代は、1990年代後半以降に生まれた人が該当し、厳密な定義はありません。Z世代にも分類されるつくし世代は、相手に尽くすことに喜びを感じる高い共感力と幸福感が特徴です。

ゆとり教育世代の仕事への価値観の特徴

ゆとり教育世代の仕事への価値観の特徴

学習内容の削減や見直し、週休二日の学校制度など詰め込み教育と方針の異なるゆとり教育を受けた世代は、仕事面でも特有の思考や行動が見られます。出世や成果を出すことにやりがいを感じるバブル世代・就職氷河期世代・団塊ジュニア世代など、ゆとり世代世代前の人たちからしてみたら独特な感性だと感じるかもしれません。

効率重視な人が多い

ゆとり世代はインターネットが生活の一部として普及した世代のため、苦手意識を持たない人が多く情報収集能力が高い傾向があります。何かを調べるときは検索する習慣が定着しているため、生活面から仕事面までどの分野でも最も効率的で無駄がない方法で行動するでしょう。無駄な労力や時間を避け失敗を避けたいという心理から、仕事面でも効率重視な行動が見られます。明確な判断基準や指示を求める特徴もあります。

打たれ弱く繊細な一面がある

ゆとり世代は、ゆとり教育で個々の人格や個性を尊重されて育ちましたが、一方で他者との関係に亀裂が生じたり孤立したりすることを恐れる傾向があります。表面的には「自分」を確立して生きているように見えることが多いですが、内面は非常に過敏で繊細体質です。叱られる経験を積んできていないケースが多く、ストレス耐性が低い一面もあるでしょう。上司からの注意を、部下としてというよりも一人の人間として「自分の意思が認められなかった」と指摘や忠告に感じ、精神的・身体的に病んでしまったり離職したりする事態につながります。

人付き合いを大切にする

ゆとり世代が幼少期~10代の頃にはすでに、核家族化・共働き世帯の増加・地域コミュニティの希薄が進んでいました。子供が一人で留守番をしたり、SNSの普及によりオンラインで人とつながったりすることに幼い頃から触れてきた背景があります。同じ境遇や年の近い者同士でオンライン上でつながり、自分自身で関係性を広げてきた世代といえるでしょう。他者との競争や差別化のない環境で過ごしたため、他者との違いを認め、思いやる特徴があります。

自主性に欠けている一面もある

ゆとり世代は、詰め込み教育のような他者との競争や比較などで培われる自主性や意思決定力が低い傾向があります。ゆとり教育では子供の個性が尊重され、正解が一つではない道徳的な問題が豊富に盛り込まれています。どんな考えにも優劣がなく、正解にたどり着く早さや評価を競う必要もなかったため、自主性が育まれる場面が少なかったと考えられています。ゆとり教育によって「みんな違ってみんないい」と教わってきたことが、「自分でやらなくても誰かがやってくれるだろう」という心理を働かせているともいえるでしょう。

会社を辞めることへの抵抗がない

ゆとり世代が生まれた頃にはすでに、日本はバブルが崩壊し社会的に不景気でした。企業の倒産やリストラ・失業などが珍しい時代ではなかったともいえるでしょう。社会や時代の流れに合わせて仕事面もフットワーク軽めで、将来よりも今を充実させたい傾向があるので、新卒で入社した会社で終身雇用で働くことへのこだわりが低い特徴があります。個々の意思決定が尊重される教育方針を受けてきたため、「自分に合わない仕事なら転職すればいい」と考える人が多いでしょう。

ゆとり教育世代の恋愛観の特徴

ゆとり教育世代の恋愛観の特徴

ゆとり教育世代の仕事面の価値観は、「頑張りすぎない」「効率重視」な特徴がありました。競争や比較などで「自分が自分が」と、上を目指す思考を伸ばすような教育を受けていないゆとり教育世代は、恋愛にも少し冷めている傾向があります。仕事と同様で、恋人と一緒に過ごさない自分のプライベートな時間も大切にしたがります。

安定した恋愛を好む

ゆとり世代は、恋愛への興味が薄い特徴があります。付き合うことや恋人感での揉め事を面倒くさく感じていたり、恋人との時間よりも自分の好きなことに時間を費やしている方が楽しいと感じたりしやすい傾向があります。異性を意識する年頃になっても、「別に彼氏や彼女はいなくてもいい」と冷めた恋愛観の人が多いでしょう。

デートは基本割り勘が多い

一人ひとりの個性や自律性を尊重されてきたゆとり教育では、男女平等も教育目標に色濃く反映されています。ゆとり世代の男性には、女性の前で見栄を張りたがる姿勢や思考がない傾向が強いため、女性との割り勘に関して恥ずかしさや格好悪さを感じない人が多いでしょう。ゆとり世代の女性も「デート代は男が払うもの」という先入観がないケースが多いので、割り勘に対しても同じ価値観でいるカップルが多いようです。

恋愛への貧欲さがない

ゆとり世代は、恋愛においても貪欲さがない特徴があります。自分の時間も大切なのでデートの頻度は低くても問題はないし、電話よりもLINEで連絡を取り合った方が時間を有効に使えると感じる傾向が強いでしょう。「障害を乗り越えたドラマティックな恋愛は疲れそう」と考えが冷めているので、安定した恋愛を望みます。ゆとり世代は、草食男子が増えている背景にも直結します。

ゆとり世代に該当する年齢でも堅実な長所に自信を持とう

ゆとり世代に該当する年齢でも堅実な長所に自信を持とう

ゆとり世代の特徴である効率重視な一面や執着心や熱量の低さは、時に仕事面や恋愛面で批判されることもあるでしょう。しかし、大きすぎる夢や憧れを抱くよりも、現実に向き合う堅実な特徴を評価したいものです。ゆとり世代には、他者と比較してのし上がろうとする競争心はなくても、相手との価値観の違いを認めたり思いやったりする心が育まれています。ゆとり世代だからこそ培われた優しさや堅実さに自信を持ちましょう。